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第三章 ~グラナダへ~
フリヒリアナ観光
まだ夜明け前にアルカイデサリンクスゴルフリゾートを後にして、次の宿泊地アルハンブラ宮殿のある古都グラナダへ移動です。 高速道路内にある綺麗なサービスエリアに寄って朝食、レジ脇のショーウィンドウには美味しそうなデニッシュなどが並び空腹なのでワクワクします。 アメリカだと休憩する時は一旦高速を降りなくてはならないのですが、スペインは日本と同じくサービスエリアに寄り易いのでドライバーに優しく、 ガソリンスタンドやお土産物を買えるショップもあり快適なドライブが出来るので良いですね。 お腹も落ち着き再び走り出すと日が登り今日も雲一つない青空、スペインの美しい山々が照らされ海岸線や街並みの風景を楽しみ、 2時間でミハス同様白い村と呼ばれている観光地のフリヒリアナに到着。 当初のスケジュールでは来る予定はなかったのですが、ミハスが生憎の天気でしたのでグラナダに行く途中で場所も良く立ち寄ってみました。 妻からはミハスより規模が小さいと聞いていたので軽く街を見るだけにしようと思っていましたが、 来てみるとツーリストトレインが走りレストランやカフェが多くあり、街並みはもちろん白い壁で統一され花も綺麗に飾られて歩道は文様入りの石畳、 お店の看板は扱っている商品のイラスト入りのところが多く目に楽しい、今日のスカイブルーの空にとても良く映えてどこを見ても絵になります。 せっかくだからと坂道をどんどん登って行き村を上から一望できるオープンテラスのあるカフェで休憩、屋根も茶色に統一されていて完璧な景色です。 この村はレコンキスタでグラナダを追われたイスラム教徒のムーア人が反乱を起こした地で、ところどころに絵と文字で歴史を伝えるタイル画があり、 観光地として街を作り上げたミハスとは違い、歴史に翻弄されながら住人達が伝統的な営みを続けている重みを感じ取ることが出来ました。
パラドールデグラナダ
フリヒリアナから内陸に入りシエラネバダ山脈の裾野を1時間程進むと、交通標識にアルハンブラという赤文字が見えて高速を下車。 一般道でも一番目立つようにアルハンブラの看板は赤文字、イスラム建築の最高峰と言われ世界中から年間300万人の観光客が訪れる為に、 誰もが迷わずに目指せるようにしているのでしょう。しかし、市街地に入るとガーミンは案内標識とは違う道を指示しそれに従うと事件が。 ごちゃつく住宅街を進み交差点で赤信号待ちをし、青になったので200mはある1車線しかない急な上り坂を先頭で100m程行くとなんと前から車が。 何のことか分からず慌てて停まると前方のドライバーは下がれと手振り、路肩に停車スペースがなくバックしましたがぶつけないかとかなり焦りました。 ガーミンは距離優先で設定しているのでたまに幹線道路から外れて、普通なら通らないタイトな道を行くことがありますが受け入れるしかありません。 その後も迷路のような細い道をくねくねと進むと、鬱蒼とした森の中に入って行きアルハンブラ宮殿の駐車場になんとか到着。 宿泊するのはアルハンブラ宮殿内にあるパラドール、パラドールとは歴史的に価値の高い古城や修道院などを改装した90以上ある国営のホテルで、 ここパラドールデグラナダは、15世紀末にイスラム教のモスクをカトリック修道院に改修した建物で、 希少な立地と荘厳な修道院の雰囲気が味わえ特に人気があり、客室が40しかないので予約するのが非常に困難。 スペイン旅行を決めた半年前にサイトを見ると10月中旬でこの日1日だけ空きがあり、旅行のスケジュールはここでの宿泊に合わせて組みました。 重厚なレンガ造りの門を抜けると歴史を感じる建物、種類が違う木々がバランスよく綺麗に植えられ、フリヒリアナとは違う文様の石畳の歩道、 市街地から離れているのでとても静かで、中世にタイムスリップしたような気分になりホテルへの期待が膨らみます。 建物内に入ると近代的でセンスの良いスタイリッシュな内装ですが、修道院の名残がある礼拝堂や数多くのキリスト教関連の調度品が飾られ、 その中にイスラム文化を感じる幾何学模様のタイルや装飾が入り混じり、グラナダの歴史を表すような不思議ですが必然な空間で心地良い。 部屋もシックで白を基調に小物類も凝っていて言うことなし、ターンダウンサービスにスパークリングワインがさりげなく置かれている粋な演出には脱帽です。 博物館を観覧するようにじっくり時間をかけてホテル内を見て回り、八角形の小さい噴水や脇に水路が流れるパティオのベンチでの休憩はとても贅沢。 レストランのテラスからはアルハンブラ宮殿の夏の離宮ヘネラリフェ庭園も見えて、どれをとっても期待通りの素晴らしいホテルでした。
グラナダの街歩き
パラドールのレストランでランチを食べても良かったのですが、目標にしていた1日3軒のバル巡りがまだ未達なので旧市街のアルバイシンへ。 ここはアルハンブラ宮殿の西側に位置するイスラム時代の街並みが残る地域で、アルハンブラやヘネラリフェとともに世界遺産に登録されています。 無数に広がる迷路のように入り組んだ石畳の路地に白壁の建物が並ぶそのスケールは、さすが約250年間グラナダ王国の首都だっただけあり、 ミハスやフリヒリアナの比ではなく広大で、アラブ雑貨を売る店やレストランなどがひしめき合い多くの観光客で賑わっています。 ガイドブック片手に小高い丘の傾斜地の路地をくねくねと登って行き、まずはアルハンブラ宮殿が一望できる事で有名なサンニコラス展望台へ。 それぞれが高台にあるので遮るものがなく、アルハンブラと背景のシエラネバダ山脈、そして白壁の街の大パノラマが広がり評判通りの絶景です。 サンセット時にアルハンブラを見ながら飲めるバルを確認してから、展望台付近をウロウロし美味しそうな店があったので1軒目の乾杯。 グラナダのバルは酒を1杯頼むと料理が一皿付いてくるフリータパスが有名で、ビールだけ頼むと本当に店員がビールと料理を持ってきました。 量はそれほど多くありませんが普通に美味しく、2杯目でも違う料理が出て来るとてもお得で嬉しいサービスです。 お腹も落ち着きサンセットまで街歩き、花やタイルが綺麗に飾られている家やカラフルに装飾されたお店、アラブの古い要塞跡など全てが絵になり、 時折興味の引く香辛料店や雑貨屋をのぞき、写真を撮りながら巡っていると楽しくて坂道ばかりの道もまったく苦になりません。 3時間ほど歩き回って再びサンニコラス展望台に戻り、目当てのバルでアルハンブラを眺めながらの一杯は最高に美味しい。 ここからのアングルも絵になると思いカメラを構えると、突然女性6人組が撮影範囲に入ってきて飛びきりの笑顔でポーズを取るのでビックリ! それに応えて撮影し今度は私達も一緒に入れと手招きされて、また別の男性2名も横から加わってきて思い出に残る素敵な1枚が撮れました。 女性達はアルゼンチン、男性達はメキシコから来たそうで、スペイン語圏の人々はスペインに特別な想いがあり訪れるのでしょうか? 気さくで陽気なラテンのノリと思いがけず出会うことが出来て、昔見た「人類みな兄弟」のCMではありませんが楽しく幸せな気分になりました。 すでに展望台には多くの人々が集まり、情熱的なフラメンコのかき鳴らされるギター演奏、歌(カンテ)と手拍子(パルマ)があたりに響き渡り、 アルハンブラ宮殿を望む最高のシチュエーションで、独特の悲しげですが力強いメロディと節回しに心を揺さぶられ圧倒されます。 夕日に染まり赤く染まるアルハンブラ、日没しライトアップされて闇に浮かび上がる幻想的なアルハンブラ、 グラナダの繁栄と苦難の歴史を想いながら、いつまで見ていても飽きない貴重な時間を過ごすことが出来ました。 夜はまだまだこれから、坂を下りてバルが多くあるエリアに来ると店の外まで人々が溢れ大盛況、3軒目は予定していた生ハムが有名なバルへ。 まったく臭みがなく新鮮で滑らかな口当たりで2人感激、フリータパスの鮭と野菜のマリネも絶品でビールに良く合います。 少しハイな気分になっていたのでもう1軒クロケッタ(クリームコロッケ)が評判の店に寄ってバル巡りはフィニッシュ。 歩いて帰るのはさすがに危険なので大通りに出てタクシーを拾い、森の中を登りアルハンブラの門を潜ってパラドールに到着しました。 今回は半日だけの忙しい観光になりましたが、次回訪れるときには時間的に余裕がなく諦めた洞窟内でフラメンコが観られるお店や、 歴史的な名勝をじっくりと巡りもっと深くグラナダに触れたいと思う素敵な場所でした。
アルハンブラ宮殿
今日はこの旅行のメインイベント、楽しみにしていたアルハンブラ宮殿見学です。 8世紀にイスラムのウマイヤ朝がイベリア半島全域を支配して、9世紀末にグラナダの丘に軍事要塞としてアルサカバが築かれました。 11世紀に入りキリスト教徒のレコンキスタ(国土回復運動)により、イスラム圏はグラナダを中心とするアンダルシア地方南部のみになり、 13世紀グラナダを首都としたナスル朝時代、この地に水道を整備し宮殿を造り、長い年月をかけて多くの建物や塔を建築し拡張されていき、 この広大な規模のアルハンブラ宮殿と別荘ヘネラリフェが出来上がりました。 1492年レコンキスタによりナスル朝が没落し、アルハンブラ宮殿がキリスト教徒の手に渡るとモスクは教会に改修され、 修道院やカルロス5世宮殿などを建設しましたが、多くの文化的価値が高いイスラム建築の数々はそのまま残されて今に至っています。 アルハンブラ宮殿の入場チケットは現地でも直接購入できますが、大変人気があるので確実に希望の日時で入場したいならネット購入がマスト、 入場の前日でもチケットを発券できるので、当日並ばずに済むようアルバイシンへ行く前にチケット売り場へ寄るととんでもないアクシデントが。 予約で使ったクレジットカードを係員に渡すと、「このカードは登録がない」と耳を疑うまさかの返事。 唖然としましたがよくよく考えると出発2週間前に、この予約で使ったカード会社から連絡がありカードがスキミングされているとの事で、 カードを作り直してカード番号が変わっていたのでした。カード会社からその時に「番号の変更で連絡する買い物はありますか?」と聴かれましたが、 ここの予約を言い忘れていたのでした。チケット売り場で明日のチケットはあるか尋ねましたが「売り切れ」とつれない返事。 でも、私達には奥の手がありパラドールでは宿泊者用に数枚確保しているので、大急ぎでパラドールへ戻りフロントに聴くと「1枚だけある」との事。 この1枚を購入してどうしようか話し合い、「50歳のお祝いで来たんだから行ってきなよ」と言ってくれたので私が入場することになりました。 チケットにはナスル朝宮殿の入場時間が記載されていて、アルカサバやヘネラリフェなどは時間の制約がなく自由に見学できます。 チケットの入場時間が9時で、見学の後バレンシアまで5時間半の移動をするので妻と12時にパラドールで待ち合わせをして1人宮殿内へ。 ナスル朝宮殿の入場時間は30分おきで、30人ぐらいが同じ時間に見学するので、広くてルートは複雑ですがみんなの後をついて進めば問題なく、 案内図を片手に妻から頼まれたイチデジと自分のデジカメを交互に撮りながら進んで行きました。 まずはメスアールの間から、壁の下部は装飾タイル、天井は幾何学模様の寄木造り、柱や床も手が込んだ細工が施されていてまさにアラブの空間、 祈祷室の馬蹄形アーチの窓からはアルバイシンの街が広がり、日本の城のように王達が民衆の暮らしを見下ろしていたのでしょう。 メスアールの中庭を通り黄金の間を抜けるとコマレス宮へ、四方を建物が囲み中央には大きな池があるアラヤネスの中庭はシンメトリックで、 池に建物が写り青空が加わってアルハンブラを代表するとても美しい光景が観られました。 アラビア語で祝福を意味する長方形のバルカの間と荘厳な大空間の大使の間を通り、アルハンブラで最も有名なライオンの中庭へ。 12体のライオンが大理石の噴水を支える姿は小さくてかわいらしく、イスラムの意外なセンスに触れられて何かほっと出来る空間でした。 中庭の脇にあるアベンセラヘスの間の天井は星型の鍾乳石造りで、中には16の窓があり淡い光が差し込み幻想的な空間を作り出していて、 二姉妹の間の天井も大きな八角形で同じく窓からの陽の光で鍾乳石飾りを美しく照らし、この2つが特に魅入ってしまいました。 ナスル朝宮殿を出てパルタス庭園へ、大きな池の先にあるのがアルハンブラでも最古の部類に入る貴婦人の塔、大貴族が住んでいたそうで、 5つのアーチがある優美な建物が池にきれいに映り、大きなやしの木が加わって絵になる光景でした。 次は10分ほど歩いてヘネラリフェへ、歴代の王が休暇を過ごした離宮で、2つの建物がありアルハンブラのような凝った装飾はなくシンプルですが、 上品で落ち着く雰囲気、その間にはアセキアの中庭があります。多くの噴水がある細長い池を花壇や柱廊が囲みシンメトリックでとても美しい。 建物の2階からは美しい中庭をはさみ、アルハンブラやアルバイシンが良く見えて、グラナダを締めくくる絶景を楽しむことが出来ました。
(追記ですが、アルハンブラに入れなかった妻は、翌年1人旅でスペインを訪れて無事アルハンブラ宮殿を見学することが出来たので良かったです。)
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